京都で生まれ育った私は、野球をしたりゲームを楽しむどこにでもいる少年でした。両親はどちらかというと文系だったのですが、私は理系のほうが面白そうだと感じ、大学は京都工芸繊維大学で応用生物学科を専攻しました。

学生時代は、アルバイトが中心でした。コンビニ店員、塾講師、家庭教師の他にも、京都の湯葉製造工場でのアルバイトなんかもして、火傷をしながら湯葉を作ったりもしました。継続的なもの以外に単発のアルバイトもしていたので、とても忙しかったことを覚えています。「何をするにもお金は必要」という考えを持っていたので、 1日3件掛け持ちでアルバイトをして、寝る間も惜しんで働きましたが月収は20万円くらいでした。

「雇われているのでは儲からない。それなら自分でやってしまおう！」そう思って始めたのが、家庭教師マッチングサイトの制作です。

自分で何か事業をしようと思い、手をつけたのがインターネットです。

当時は 1998年。国内のインターネット人口が1000万人を突破し、ITをビジネスドメインとする起業が相次いだ頃でもありました。私自身、インターネットというものをよくわかっていませんでしたが、「やるならインターネットだろう」と早速プロバイダに連絡をし、契約してインターネットを通しサイト作成に取り掛かりました。

家庭教師マッチングサイトを作ろうと思ったきっかけは、自分自身が家庭教師として働く中で疑問に感じていたことがあったからです。

京都は大学が多く、家庭教師の派遣会社は数多くありました。私もその中でいくつか登録をしていたのですが、なかなか仕事が紹介されず、何のケアもない。あげくに高い中間マージンを取るばかりの現状に不満を持っていました。見方を変えると、不満があるところにこそ、ビジネスチャンスがある。「これは絶対に成功する」そう確信してこのサイトを立ち上げました。

サイト開設当初はアクセス数が伸びませんでした。原因を探るためアクセス解析をしてみると、サイトを訪れているのは検索エンジン経由の人がほとんどだということがわかりました。そこで、アクセス数を増やすには検索エンジンの上位表示が必要だと考えた私は、上位表示される HPを手当たり次第に研究してサイトに反映することを始めました。

無数のサイトを見て上位表示の理由を仮説立て、検証を実施。それを繰り返し行うことで、上位表示されるようになりました。そしてサイトを作成してから 3ヶ月ほど立ったころから収益が出るようになり、最初は5000円位でしたが、すぐに月何十万の収益が上がるようになりました。そしてこのサイト作成を通して、自然とSEOの知識やノウハウが身に付いたというわけです。

こうして収益を確保できるサイトができてからも、塾講師などのアルバイトは続けていました。事業をやる以上、新しいことをしたいと考えた時にお金が必要だと思ったからです。また、最後まで続けた塾は、塾長が好きだったので、できるだけお手伝いしたいという思いもありました。

進路を考える時期になり、大学院への進学試験も受けてパスしたのですが、必修科目の単位がどうしてももらえず進路を事業に絞ることを決めました。

そうして 2001年１月、フルスピードの前進となる有限会社エクシスを設立しました。

※ SEO（ 検索エンジン最適化）：社名や商材などに関連するキーワードが検索されたときに、自社のサイトや商材が、検索サイトの上位に表示されるようにする技術。

※リスティング広告（検索連動型広告）： 社名や商材などに関連するキーワードが検索されたときに、 検索サイトの検索結果画面に表示される広告。

※アフィリエイト： Webサイト運営者やメルマガ発行者が、サイトやメルマガにECサイトなどの広告を掲載し、成果に応じて広告収入を得るシステム。