起業家物語

1970年6月16日生まれ。A型。
上智大学経済学部経営学科卒。…(詳しく)

プロフィール詳細 この方へ一問一答
あしたね

【あしたね 】
小学生や中学生の職業調べ学習にもぴったりな仕事・職業インタビューを掲載

OJT“見える化”ツール〜共育サーベイ

【OJT“見える化”ツール〜共育サーベイ 】
自分から影響を与えていく「人財」を育成するツール

Chater1 2 3
この企業のウェブサイトへ

第2話 自分の本音をとことん突き詰める

新卒で入社したのは伊藤忠商事でしたが、はじめから商社に絞っていた訳ではありませんでした。メーカー、商社、金融、損保、自分にどんな業種があっているのか、 OB訪問を20数回していく中で決めていきました。


中 でもメーカーと商社の2つで迷いました。メーカーは自社の製品を広げていくのに対し、商社は相手のニーズに合ったものを提供する。私は医者のように、当事者のためになるものを 相手に寄り添って選んでいきたかったので、マッチングやソリューションができる商社に業界を絞りました。もちろん、「海外に行きたい、商社ってカッコ良さそう」というイメージがあったことも事実ですが(笑)。


最初、伊藤忠は自分の中でイメージがよくなかったんです。元気なだけ の集団に見えました。しかし、OBに会ってみて、ことごとくその方々に惹かれました。“元気さ”=“思い切りの良さ”=“当時の自分にないもの”で、ぜひ“これからの自分に身につけたいもの”でした。当時自分は評論家タイプで、分析して考えるわりには行動するのが遅かった。だからこそ、そんな自分を変えたいと思い、伊藤忠という会社でそういったことを学ぼうと、志望することを決めました。実際、他社がゆっくりと着実に時間をかけ教育をしていくのに対し、伊藤忠は若手にもどんどん仕事を 任せ早く成長できる環境がありましたから。


面接時、担当者に「君はうちには向いていないと思うよ」なんて言われましたが、「伊藤忠しか受けません」とアピールしましたね。


何かを伝えたい――。異業種ネットワーク「LPC」を設立

1994年に伊藤忠に入社し、希望のODA事業に携わりました。日本と現地の両政府の間に入って、インドネシアやフィリピンなどに地下鉄などのイン フラを提供する仕事です。社会貢献はできますし、自分の企画したプロジェクトが大統領にも届く訳ですから、やりがいは大きかったです。しかしその反面、 「自分にしかできないことが他にあるのではないか」と思うようになりました。


そこで、何か発信していく場を作ろうと仲間と3人で異業種ネットワーク「LPC」を設立しました。ちょうどそんな時ですね。一つのゲームと出会ったのは。


それは先進国と途上国の格差を疑似体験できる貿易ゲーム。資金がある国、資源がある国、技術力のある国とさまざまな条件下に分かれて、金儲けをする ゲームです。進めていくと、貧しいのに楽しそうな国、優勢なのにギスギスしている国などが出てきます。ゲームなのでもちろん勝ち負けがある訳ですが、勝ったからといって「嬉しい、おしまい」ではありません。「自分だけが儲けていて良いのだろうか?」と自然に考えることができるものでした。


すぐにピンときました。このゲームはビジネスで大切なチームワークや PDCAなどの要素を学ぶことができ、国際問題や何らかのメッセージも伝えられるのではないかと感じました。


そこでLPCでは、イベントやボランティアをはじめ、貿易ゲームにアレンジを加えたSEED(旧称:トレーディングゲーム)を実施。体験型で楽しみながら理解を深められるとあって、私たちの考えに賛同してくれる人は次第に増えていきました。


もちろん LPCの活動は仕事の傍らでの作業。残業が月160時間を越える中、仕事の合間や週末の時間に企画を考え、開催場所を選定し、社会人の呼び込みをしました。


そして6年後。LPCは3000名規模のネットワークになったのです。



「やりたいなら自分でやれ!」

3000名のネットワークとは果たして大きいのか、小さいのか。そもそもなぜLPCをやっているのか。学校教育にトレーディングゲームを取り入れれば、大人になってからやる必要はないのではないか。時間が経つにつれてそんなことを考えはじめるようになっていました。


そんな折、総合学習、つまり環境問題や世界経済などを体験型で学習する時間が2002年から開始されることになったのです。「これに特化すればいいのではないか」と早速社内ベンチャー制度がある企業に提案へいきました。


しかし、返ってきた答えは NO。「売上げ見込みが足りない」「商売にならない」と断られる次第。それでもやりたい。そう悩んでいたとき、ある方にこんなことを言われたのです。


――「やりたいなら自分でやりなさい」。


目から鱗でしたね、「そうか! 起業という選択肢もあるのか」と。


それからは朝昼晩、ビジネスのアイデアを形にするにはどうしたらいいかと100名を越える人に相談しました。しかし、1年経っても起業に踏み切れずにいたのです。


そんな私にニューヨーク転勤の話が入りました。商社マンにとってはいいニュースです。まるで目の前に人参をぶら下げられたような気分でした。


しかし、今が転機だ。――そう感じた私は、そのとき起業の道を決めました。


この企業のウェブサイトへ

このページのTOPへ

就職活動スタート! 無料会員登録

会員になると特典いっぱい! 会員のメリット
PR情報

賃貸のことならHOME'S賃貸

賃貸のことならHOME'S賃貸
就活も部屋探しもダンドリが大事。豊富な物件数に自信アリます!


今週のアンケート
Q.興味があるのはどんな職種?
編集部からのお知らせ

ベンチャーセレクション vol.4

Venture
ベンチャーセレクション vol.4
就活生必見の就職情報誌。社長で選ぶスペシャル情報マガジン。