【 スパイラル・メッセージングプレース(R)】
スパイラル・メッセージングプレース(R)は企業様のあらゆる情報を安全に管理するASPサービスです。
メールマガジン受付やアンケート、資料請求等、Webで収集するお客様情報をしっかりと管理し、ユーザー様のご要望に柔軟かつ幅広く対応できる機能が満載です。更に、担当者様が一番不安な導入時や運用中のサポートに関しても、数多くのお客様に支持されています。現在、その信頼性はアクティブユーザー数 1245アカウント(2008年8月31日現在)もの多業種に渡る実績が証明しています。
1972年11月12日生まれ。
九州大学大学院人間環境学研究科
都市共生デザイン専攻博士後期課程修了。…(詳しく)

第2話 成功への「確信」
2000年の4月に創業したわけですが、具体的な事業内容は起業してから絞り込みました。
というのも、最初は山ほどのビジネスアイデアがあったのです。
ゼロからのスタートでしたから、100ある選択肢の中から100どれでも選択できる状況で、「あれもこれも面白いよね」といった感じで、皆で事業展開について話し合っていましたね。
創業当初は特に事業が定まっておらず、システムの受託開発やホームページの制作など何でもやりました。 会社を立ち上げてから3カ月、いくつもあった事業アイデアの中から、最も将来性、可能性があると「確信」を持って選んだのが現在の「データベースの銀行」と呼んでいる事業です。そして、その年の7月から「データベースを預かり管理する」という事業モデルの核となるソフトウェアの開発に取り組み始めました。それが現在の当社主軸サービス『スパイラル(R)・メッセージングプレース』の始まりです。
開発にあたっては、私も含め全員素人。当然ながらものすごく勉強しました。
私自身、学生時代に景観や土地利用のモデルをシミュレーションし、研究するプログラムを自分で作っていたので、プログラミングに抵抗はありませんでしたし、ある程度理解はしていました。とは言え、やってみなければ分からないことばかりでしたし、まさに手探り状態だったのも事実です。
なんとか半年くらいでソフトウェアを作りあげ、翌2001年に『スパイラル』をリリース。現在へつながる事業の基本的な形はこの時にできました。その後、『スパイラル』は幾度となく改良されていくわけですが、お客様のご要望に応えることで、その品質や機能を向上させてきた、まさにお客様に育てていただいた製品だと実感しています。
すぐに売上が上がらないのは覚悟していた。しかし、赤字は許されない
「確信」を持って選択した「データベースの銀行」という事業でしたが、すぐに収益が上がったわけではありません。
特にこの事業のサービス提供のモデルがASP(Application Service Provider)という、月々の使用料を頂く収益モデルなだけに、年間で見れば30万円の売上ですが、一回契約しても月2万5000円の売上にしかならないわけです。
だから、この事業だけ見れば2年間は毎月赤字で、軌道に乗るまでの間、資金繰りには相当苦労しました。創業1年目にはキャッシュアウトしかけ、自分の口座から会社の口座に振り込んだこともありましたね。
そこで資金繰りのために銀行借入を始めましたが、ちょうどITバブルが弾け、銀行は貸し渋り、貸し剥がしをしていた時期。どこもなかなか融資してはくれません。結局、信用保証協会や商工会議所経由で借入したのですがそれでも足りず、その他融資に応えてくれたのは当時会社があった渋谷を地場とする信用金庫一社だけでした。
しかし会社としては、赤字を出したことはありません。
資金に余裕がある状態ではなかったので、赤字のまま事業に取り組めるといった状況ではなかったのです。
そのため、「データベースの銀行」事業に取り組む傍らで、赤字にならないようにシステムの受託開発などを請け負いながら何とかしのいでいました。「受託開発はその時の利益を上げるためだけのもので本業ではない」というコンセンサスは、社員皆の間で取れていました。
そして、「月次の利用料が500万円をクリアするまでは辛抱しよう」「絶対にこっちの方が伸びるから」と、営業のリソースは全部この事業に集中させることを続けました。
この間、きつい時期ではありましたが、モチベーションが下がるということは全くありませんでした。それは、この事業が必ず成功するという「確信」があったから。そして、月2万5000円が積み重なることで、自分たちが選んだ事業が苦しい中でも着実に伸び、500万円に近づいているという実感を持てていたから。むしろ、目標が目に見えて近づく充実感みたいなものがありましたね。
結果的に2002年の末頃に月次500万円をクリアし、黒字転化できたことで、晴れてこの事業一本に全精力を注げる体制ができたのです。
- 第1話 「データベースの銀行」誕生前夜
- 第2話 成功への「確信」
- 第3話 「データベースの銀行」が秘める可能性と、描く未来図