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起業家物語

“ゲーム”をゲーム機から開放する。インディソフトウェアの挑戦。

新しい流通ルートの開拓。そして、次のステージへ。

大学時代にアルバイトをしていたリクルートで新社会人を迎えた僕は、MDC(Media Design Center)という次世代ソフトウェアのR&Dを行う部署のマーケティング担当になりました。最初にした仕事はMacの様々なソフトの体験版・デモ版を集めたCD-ROMの企画。当時、パソコンのソフトはパソコンショップや一部の電気店でしか置いてないような、偏った流通状況でした。もっと販路を広げようという話になり、リクルートが情報誌ですでに開拓していた書店流通のコネクションをたどり、取次ぎ大手2社に協力を仰ぎました。

結果・・・ことごとく断られました。

しかし、そうは簡単に諦めない性格です。Macのソフトなので、Mac専門誌の流通状況をリサーチし、直接書店に足を運び、約200店に置いてもらえることになりました。最終的に、取り扱い書店は500店にまで増え、その書店直流通だけで1万本ほど売れました。

これは、書籍でもなかなか出せない数字で、先に断られた取次ぎ大手2社からも、手のひらを返したように「扱わせてほしい」と声がかかるまでになりました。その後は倉庫会社まで巻き込み、リピートオーダーまで含めてソフトウェアが書店で流通する仕組みを作り上げました。入社一年半のことです。

ソフトウェアを置いてもらう書店には、毎日のように訪問していましたね。当時訪問した日本全国の書店の担当者の名刺は2000枚を超えています。デジタルに明るい名物店員さんはどこの書店にもいらっしゃるので、そうしたキーマンとたくさん出会えたのは大きかったですね。そうして毎日訪問して話す中で、「古い業界だけれど、改革したがっている人が内部にたくさんいる」というのを知ったのは発見でしたね。「同志は探せば見つかるな」と思いました。ソフトウェアを扱っている他社も同じように書店流通の開拓をしていましたが、彼らもライバルではなく、同じ志を持った同志だと捉えていました。一つ一つステップを踏んでいけば、自分たちが正しいと思っているものが通用していくんだというのが実感できた仕事でした。

先輩の起業したソフトウェア会社へ転職。

その後、リクルートの先輩が立ち上げた会社に誘われました。『TOWER』という、ビル経営シミュレーションゲームを開発・販売していた会社。今後は、海外にも売り出していくと聞き、「また海外にいけるかな」と思って転職を決めました。

僕の仕事はとにかく『TOWER』を売ること。広告宣伝費をかけて、ソフトの魅力をアピールしました。僕が入る前は約3000本売れていたのですが、宣伝の結果、国内で20万本、ワールドワイドで100万本以上売れる商品になりました。そのときは、書店の時と同じく、とにかく毎日、販売店に通いました。何よりも店舗の現場の担当者から生の話を聞くことと、彼らとしっかりと信頼関係を築くことが大事であると痛感していたからです。もともと前職でソフトウェアの流通をしていたので、仕入先やバイヤーもよく知っている人たちだったということもありますが、すごい勉強になったし、さまざまな情報を教えてもらいましたね。損得だけでない付き合いができるくらいの人間関係を構築しました。

そして1997年10月、会社が合併することになりました。相手企業は、『アクアゾーン』という熱帯魚を作るソフトで有名な会社で、規模も風土も全く違う会社が一緒になったのです。合併のタイミングで採用も行ったため、人数も70名近くまで一気に増え、1年後くらいから組織にズレが生じてきました。組織が混沌としているので、仕事もうまくいかない。だから、なかなかゲームも出来上がらない状況。

そんななか、マーケティングを担当していた僕が開発の仕事を任されるようになったのです。とにかく、よくわからないので、現場の誰よりも仕事をしようと思いました。プログラムに近いところの仕事もしましたし、全体の進捗管理をふくめ、20名近いチームのマネジメントを担当しました。

開発現場をマネジメントしたのは始めての経験だったので、とにかく人の話をしっかり聞いて、分からないことを分からないままにしないようにしました。クリエイターはセンシティブだし、自己主張が強い。けれど「良いものを作りたい」という純粋な思いを必ず根底に持っているので、その思いをきちんと受け止めようと思ったのです。チームをマネジメントする上で大切なのは、「コミュニケーション」なんて軽いものではなく、チームの皆を真剣にちゃんと見ていること。そして、理解すること。彼らの状況、思いを常に把握しておくべきだと考えています。

・・・こうして無事『TOWER II』のMac版のマスターを上げたのですが、そのときは全身から力が抜けましたね(笑)。4ヶ月休みなし。最後の4日間は合計睡眠時間が3時間くらいだったと思います。今までで一番、感慨深いマスターアップでした。
まあ、そのあと『TOWER II』のWindows版と海外版で、同じ思いをするのですが(笑)。

開発チームの結束が固まっていくのと歩調をあわせるように、『TOWER II』は国内だけで4億円を売上げるまでになりました。けれどPCソフトは、段々と右肩下がりになっており、会社的にはよくない状態が続いていました。

一方で、日本中が熱気に包まれた、『プレイステーション2』の発売が迫っていました。当時、新規ゲームの開発マネジメントも担当していた僕は、プレステ2の企画を随時メンバーに出させていました。 そして、プレステ2のソフト開発プロジェクトが社内で立ち上がったのですが、1ヶ月ほどで社内的な事情で頓挫しました。これはすごいダメージでしたね。
「このままずっとPCのパッケージソフトを出していてもダメだな」と思っていたことと、「プレイステーション2のタイトルを企画開発できないと世界に取り残される」と思っていたことも重なり、プロジェクトが無くなったことをきっかけに、起業を考え出したのです。

次回はインディソフトウェアのこれからをお話したいと思います。

プロフィール

株式会社インディソフトウェア
代表取締役社長 野津幸治

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