大胆かつ細小に攻める。
前職にいる時に創業メンバー達と、仕事外の時間を使って企画を作り込み、企画内容に自信を持てた時点で起業しました。1999年10月のことです。起業後に出した一つ目のソフトが、「街ingメーカー」。新興ソフトウェアスタジオですから、売りと言えば、『TOWER』の開発チームが作るゲーム、ということのみでしたね。

そこで、チャレンジしたことがあります。
『TOWER』を作ったときから、企業に交渉して、実際にある企業名をゲーム内で使わせて頂いていました。そこで、ゲームのリアリティを増すために、『街ingメーカー』では有名なレストランチェーンやコンビニエンスストアなどに、ゲームに登場いただいたのです（ちなみに、昨年発売した「街ingメーカー２」では、３５企業様にご登場いただいています）。今では大手ゲームメーカーも企業広告をいれるようになっていますが、僕らがそのきっかけの一つになったと思っています。

そして、コンシューマゲームの企画開発を続けながら、２００３年より、WEBソリューション事業を立ち上げました。将来的に、あらゆるソフトウェアはパッケージでなくネットを介してユーザーに提供されると感じていて、そのためにはインターネットの技術やマーケティングに関する知識、ノウハウが不可欠だと思ったからです。今では、ゲーム企画開発と並ぶ事業規模に成長し、かなりのノウハウが蓄積されています。

ゲーム、インターネットを組み合わせ、そして発展させた「アドバゲーム」

そして、ゲームとインターネットを組合せ、さらに発展させた事業が、2007年から力をいれている「アドバゲーム」。（ポータルサイト：アドゲー天国：www.ad-game.jp）
「アドバゲーム」とは、ゲームを使って企業や商品の広告を展開するゲームのこと。アメリカでは、今や定番となっています。企業のブランディングやポリシーなど、伝えたいことを分かりやすくゲームで表現。企業広告がユーザーにとって商品やサービスの押し付けにならず、逆にゲームを通じて自然に受け取ってもらえるよう、バランスを取って面白いゲームを制作します。この「アドバゲーム」によって、お金が他業界から流れてくることになり、ゲーム業界の制作会社やパブリッシャーに新しい収入源を提示できるという狙いもあります。

あらゆる企業のサイトに、ゲームがあるのが当たり前という状態を作るのが目標です。やはり、映画や音楽に比べて、ゲームが世の中に認められているかというと、そうではないので、その状況を少しずつ変えたいのです。こういう新しいビジネスモデルができるのは、自分たちベンチャー企業のほかいない、と思っています。

また、これからは人材も、どんどんオープンになっていく。日本人の性質はゲームやソフトウェアを作る「モノ作り」にとても向いていると思うので、ゲームやソフトウェアを通して、世界で勝負する人がたくさん増えるといいなと思っています。日本のGDPは高いので、国内だけでそこそこビジネスになってしまう。ある意味、その甘い状況を打破したいという思いもあります。

今後の目標は、二年以内にアメリカに拠点を作ること。その次はアジア。中国かインドですね。もしかしたら、数年後、僕は日本にいないかもしれない。海外に目を向けている理由のひとつに、世界で働く優秀な人々と一緒に働いてみたい、渡り合っていきたいという思いがありますね。野球選手がメジャーリーグを目指すように、ベンチャー企業だったら、シリコンバレーで勝負するのは普通じゃないかな？

これからの当社を創っていく上で一緒に働きたい人は、世界で勝負したい志を持った真面目な人。真面目に積み重ねることでしか人は成長できないと思うからです。その上で、「自分自身を好きで、自分のことを認められて、人のこともちゃんと認められる人」。そして、おせっかいなぐらいな人と働きたいですね（笑）。

私たちは、今振り返れば、様々な人たちに助けられ、色んな人との関係性を大切にすることで、ここまで発展してきたと思います。今後もその感謝の気持ちを忘れずに、誠実に、価値のあるソフトウェアを作っていきます。それを国内外問わず、多くの人に楽しんでもらえたら最高ですね。