営業職が導いた起業家への道。
英会話カセット、建築資材、求人情報・・・
これは全部私が営業時代に売っていた商品です。
そもそも私が営業支援事業を主軸とした会社を起業した背景には、自身の営業経験があります。
高校卒業後、私が最初に就いた職は歯科技工士の見習いでした。実は私には以前から「社長になりたい」という独立願望があって、その一番の近道は手に職を付けることだと思っていたんです。でも結局、半年で辞めてしまいました。どうにも自分には合っていなかったようです。
その頃、私にはあまり社交性がなくて、そんな自分の性格を変えたいという思いを常に持っていました。そこで、自分を変えることができる職はないかと考えた先に行き着いたのが営業。営業として再スタートを切って、今までの内気な自分からも抜け出したい、そんな思いから、「手に職」の技術職から営業へと転身することにしました。
ただ本音を言うと、営業以外の仕事を思いつかなかった、というのもあったんですが…。
こうして初めて19歳で営業の仕事を始めました。仕事内容は外資系企業の英会話カセットの販売。個人のお客様を相手にした完全歩合制でしたが、営業にかかる諸経費もすべて自ら捻出しなければいけなくて、なかなか大変でしたね。ただ、初めての営業の仕事であったにも関わらず、意外と成績も良かったほうだと思います。
そして、この初めての営業経験が、自分の営業スタイルの原型にもなりました。私自身の性格にも変化が起き、「社交的な人間になる」という目的も達成されたように思います。会社が、外資系企業ならではの“ポジティブシンキング”な文化を持っていたので、その影響があったのかもしれませんね。
英会話カセットの販売は約2年続けました。そうするうちに、今度は法人向けの営業にフィールドを広げたいと考えるようになって、建築資材の営業を3年経験しました。そして、次に入社したのがリクルートでした。
友人の勧めもあり、求人広告の営業としてアルバイトで入社したのですが、リクルートはちょうど成長期を迎えていたため、年齢に関係なくマネジメント職に就けるチャンスがありました。独立願望が強かった私にとっては、まさにもってこいのステージでしたね。営業スキルをレベルアップさせるのにも非常にいい環境だったと思います。ここまでの5年間の営業経験だけではスキルや技術的なものはまだ十分に備わっていませんでしたが、一方で自分自身のスタンスやものの考え方が大きく変化していたみたいで、それをここでの仕事に上手く活かすことができました。
その甲斐あってか実績も伸び、入社後1年半で社員試験に合格。その後、課長を経て28歳で横浜営業所の所長となり、30人以上の部下のマネジメントも経験できました。
ここでの成功体験や様々な人々との出会いがなかったら、その後のエムエム総研の設立はなかったでしょう。私にとって営業とは、単なる職種の一つではなく自分の中に変革をもたらした仕事であったと同時に、「独立したい」という夢を実現させるためになくてはならない重要な要素でもあったのです。
次回は新しい事業の開拓について、お話していきたいと思います。
【第2話】営業アウトソーシング事業の開拓へ。
株式会社エムエム総研
代表取締役CEO 萩原張広