2007年1月。
東京大学法学部の2年生だった私と友人は、現役東大生1500人のデータベースを誇る『家庭教師の東翔アカデミー』を事業に、ヴォラーレ株式会社を設立しました。

その後e-learningの『ウェブ予備校　楽☆スタ』、『クチコミSEO』をはじめとしたSEMサービスを提供する“WEBプロモーション事業”、ゴルフ場などのリゾートに対してマーケティングや経営コンサルティングを行う“コンサルティング事業”など、創業1年にして4つの事業を展開しました。

妥協なき議論をしよう。
これが、ヴォラーレのカルチャーです。
“企業理念「日本を代表するエクセレントカンパニーを目指す」”と“経営理念「最速の意思決定と行動で、最強の成長力を！」”を実現させるために、2008年の1月から3ヶ月ほどかけて全社員で考えた社員の行動規範である“VOLARE　VALUE”にも、このことは記されています。

企業理念と経営理念、そしてVALUE から生まれるヴォラーレカルチャー。
――これこそ、私たちが最も大切にしていることです。

それでは、ヴォラーレを起業するまでの経緯を学生時代からお話します。

――人生の目標を見つけた高校時代。

中高一貫の進学校に進んだ私は、剣道部の大将を務めたり、友人とバンドを組むなど、それなりに充実した学生生活を送っていました。しかし、そんな日常にぼんやりと疑問を持ち始めたのです。

「普通に生きて普通に死んでいくだけの人生では、どんな過程を経て、結果、何を残せるのだろうか」

自分という人間がどういう生き方をしたいか考えたとき、私の中に一つの答えが見つかりました。
「歴史に名を刻みたい」
この世界に生まれたからには自分のことだけ考えて生きるのではつまらないと思います。
今、自分が生きる社会や次の世代の人たちにも価値を与えられるような人物になり、その結果自分が生きた証として“歴史に名を刻むような人物になりたい”という気持ちが、自分の中で明確になっていきました。

どうしたらそのような生き方が出来るのか。
そして見つけた具体的な手段は、将来「政治家になる」というものでした。

政治家は、その功罪が個人そのものの評価となり、国民や世界に影響を与える存在です。政治家になり、自分が好きな日本のために行動を起こし、その結果歴史に名を刻む存在になりたい、私は今でもそう思っています。

私個人として、日本の政治に対してある程度ビジョンや方向性を持っていますが、“個人の夢＝会社の夢”とは考えていません。
会社は私個人のものではありません。たとえ私がいなくなったとしても、ヴォラーレが日本を代表するエクセレントカンパニーとして成長し続けられる組織にし、社会に価値を与え続ける存在にすることが、経営者としての私の夢です。

――政治家になるため目指した東大合格。

「政治家になる」という目標を得た私は、それを実現するために何が必要なのかを考え、まずは「経済力と学歴」を手に入れるべきだという結論に達しました。
そして進学校に在籍していたという環境もあり、まずは「学歴」を手に入れようと東大受験を決意。そうと決めたらすぐに気合を入れるため頭を丸め、当時は自分でも驚くほどのストイックさで受験勉強に打ち込みました。

東大はセンター5科目が受験科目。
膨大な範囲をカバーするために、ただがむしゃらに勉強するだけでなく、戦略的な視点が絶対に必要です。
合否を分ける貴重な1点を稼ぐために、論文で間違えた漢字を教科書の表紙に書いて次は絶対に間違えないようにしたり、反復勉強をシステマチックにして効率的に記憶できるような勉強法をしたりと、数え上げたら切りがないほどの工夫をし、受験勉強に取り組みました。

それまであまり学校の勉強に時間を割かなかった私にとって、いきなり毎日毎日10時間以上の勉強はやはり辛いときもありました。
「自分は何のために勉強しているのか」
日に何度もそのような考えが頭に浮かび、そのたびに自分の目標を再確認し、奮い立ちました。
結果的に東大法学部合格を手に入れ、目標に一歩近づいた達成感も得ることが出来ました。

次回は、大学生活についてお話します。

「何か見つけなきゃ」と参加したカナダ留学。東京大学起業サークルＴＮＫとの出会い。