起業しようと決めてから 6年後の2002年8月22日、有限会社インフィニット・フィールドを設立、10月1日から活動を始めました。このとき私は27歳、4名でのスタートでした。

実は、設立に先立ち営業活動は開始していたのですが、せっかく会ってくれる企業があっても「起業したばかりで仕事ないんだろ？　安くて良ければ使ってやるよ！」といった対応のところばかりでした。私は、そんな横柄な態度を取る会社とは絶対に取引をしたくなかったため、そういった会社は全て切り捨てていました。

そんなこんなで、設立 1ヶ月にも関わらず資金はあっという間にピンチに！　実際問題として、仕事もないのにいきなり4名でスタートしたということが一番の原因だとは思いますが、私にとってはどうしてもはずせない仲間だったため、何とかするしかありませんでした。そこで、区の創業支援融資に申し込んで資本金と同額ほどのお金を借りることにしました。

そのおかげで何とか倒産の危機を逃れ、自宅があったマンションに別の部屋を借りて事務所にし、やっと本当の意味でのスタートを切ることができました。ただし、この状態では資金繰りが厳しいことに変わりありません。私自身も現場に出て働き、月間 400時間を超える勤務を続けた結果、資金繰りもだいぶ楽になってきました。

それに加え、新メンバーの入社や大口プロジェクトの獲得などもあり、2003年度は予定年商の1.5倍を記録！　2004年度も外注さんに協力してもらいながら順調に売上を伸ばしていましたが、会社経営というものはまさに山あり谷あり……。年度末が近づくにつれ、今度は外注さんのトラブルの増加が問題になってきました。そこで思い切って外注を使うのは止め、社員を増やす方向へ転換。採用活動を始めました。

最初のうちは選考基準も低く、重大な問題がなければ即採用していましたが、外注さんを使っていたときと同様にトラブルが起こったために採用基準を引き上げました。例えば、今までは履歴書を当日持参してもらっていたものを、応募後 10日以内に必着で郵送してもらうようにするとか、面接1回で採用としていたところを二次面接まで行うようにする、内定後1週間以内に内定承諾ができない場合は内定を取り消すなどです。

こうした改善策を講じた結果、以前に比べて応募者や選考通過者数は減り、内定辞退（取消）者は増えましたが、優秀な人材を獲得することができるようになりました。

この成功例から、現在も同様のプロセスで人材採用を行っています。採用の基本的な考え方として、インフィニット・フィールドでは終身雇用を念頭に置いており、長く安心して働いてもらえるよう、職場環境、福利厚生を充実させていく努力を日々重ねています。

一番初めにお伝えした 4つのコンセプトを満たす会社を築き上げ、「夢が実現できる環境を望む人すべてに提供すること」という企業理念に沿った経営を今後も続けていくつもりです。

インフィニット・フィールドは、 2008 年 9 月現在、社員数 30 名というアットホームな環境のもと、順調に業績を伸ばしています。システムだけでなく、お客様との打合せから開発、導入、保守にいたるまで、すべての工程において “ 質 ” を重視し、サービスの向上に励んできた成果が形となって表れてきたのだと思っています。将来的には海外展開も視野に入れており、 2040 年にはグループ年商 1 兆円以上、グループ従業員数 5 万人以上、関連企業 100 社以上、 M&A20 社以上、 IPO10 社以上を達成したいと考えています。また、直近では 2008 年 7 月に研修販売、人材紹介、小規模ベンチャーキャピタル、組織開発コンサルティングを行う関連会社、株式会社インフィニット・フィールド・プラスを設立し、人材育成世界一に向けた新たな一歩を踏み出すに至りました。

そして、社名のごとく無限の（ Infinite）フィールド（Field）をこれから入社する皆さんにも提供し、共に夢の実現に向けて取り組んでいきたいと思っています。