アメリカ同時多発テロ、SARS、イラク戦争と暗い話題が続いた旅行業界でしたが、2004年頃からようやく回復の兆しを見せています。
しかし、インターネット代理店の台頭により価格破壊の波が押し寄せ、利益の確保に苦しむ企業が多いのも実態。
また、ネット代理店では格安航空券やホテル予約などができ、自由に旅のアレンジできるようになったため、従来の団体ツアー型旅行の人気も下降気味です。
今後は各代理店とも価格の引き下げだけでなく、消費者個々に合わせたセルフオーダー的な商品開発に乗り出すなど、新たなニーズの開拓が必要とされます。
ホテル業界では相次いで外資系が参入。日本の伝統的なホテルを脅かしています。
1990年代以降から登場してきたこれら外資系ホテルの特徴は、外観や内装に凝ったラグジュアリー感と優れたサービスで、都会にいながらにしてリゾート感覚的な贅沢が味わえる点。 こうした外資系の影響を受け、ここ数年は宴会やレストランなどのバンケット需要に力を入れてきた国内系ホテルも徐々に宿泊機能の強化へと回帰し始めています。
今後も大手外資系ホテルが続々開業予定で、東京はホテル激戦区となることが予想されています。
また、出張のビジネスマンなどをターゲットとした宿泊特化型ホテルは、清潔・安全かつリーズナブルを売りにし好調。
7年連続で落ち込みを見せていたフードサービス業界。昨年は若干回復の兆しを見せたものの、未だ厳しい状態は続いています。
レストランや居酒屋、ファーストフードなどの外食産業は、薄利多売の低価格競争による業績悪化やBSE問題の影響もあり、市場は縮小傾向。
一方で、弁当や惣菜、デパ地下食材などを中心とした中食産業は好調で、手軽さ、便利さに比べ、調理法にこだわった味のよさや単身者の増加などがその要因に挙げられます。
健康志向への高まりをはじめ食生活の見直しが話題に上るいま、消費者のニーズ、食の多様化にいかに応えていくかが今後の課題となります。
陸・海・空と3つのフィールドに分かれ、人やモノを運ぶ運輸業界。同業界ながら、現状、その明暗ははっきり分かれています。
陸運では、宅急便は民間と郵政公社により飽和状態。一方、鉄道は少子化に伴う人口減少から輸送人員が年々低下。現在は各社、駅サービスに力を入れ、顧客満足度の向上に取り組んでいます。
空運は1990年代末の航空自由化に伴う再編で2強体制となりましたが、財政悪化が見られる面も。 鉄道、航空とも事故が相次ぎ、今後は安全性と信頼回復に重点を置くことが大切とされています。
そんな中、唯一の勝ち組が海運。海外からの資源調達の拡大や中国特需の影響で、好調が続いています。
痩身や脱毛、美顔などの施術を行うエステティックサロンでは、女性だけでなく男性も新たに取り込み、新たな価値創造に乗り出しています。
また、エステだけでなく、マッサージやスパ、アロマテラピーなど、“癒し”をテーマとしたリラクゼーション施設は、若い女性を中心に人気を集めています。
フィットネスクラブは、中高年層をターゲットに会員の拡大を進めています。 都市部だけでなく郊外にも大型フィットネス施設を展開するなど、市場の拡大を進めています。最近ではヘルスケアへの関心も高まり、ヨガ教室なども増えています。